福井県レッドデータブック データベース

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淡水産貝類
 

 マツカサガイ

 

 イシガイ目イシガイ科

 Inversidens japanensis (Lea)

 福井県カテゴリー  県域絶滅危惧U類
 環境省カテゴリー  準絶滅危惧
 
 
 
  
 ●種の特性
殻は卵円形で,殻長40 〜60mm で80mm を越える個体もある淡水二枚貝.殻頂は前方に片寄り,殻には擬主歯と後側歯があり,右殻の擬主歯は三角状に発達する.殻色は成長するにつれて黄褐色から黒褐色になる.
殻表面には,種の最大の特徴である松笠に似た逆V 字型の彫刻が顕著に発達し,成長と共に消滅する.移動能力が低く,水位の変動の影響を受ける岸部には少ない.妊卵期は7 月が最盛期.
 ●生息状況
北海道,本州,四国,九州の河川や用水路等の流水域に,飛び飛びに生息する日本固有種.県内では,現在,九頭竜川,足羽川,日野川,北川支流の太良庄川でも生息が確認されているが,生息個体数が激減している種である.
 ●存続を脅かす要因
移動分散能力が低いため,大規模な圃場整備,河川改修等による成貝の生息場所の砂礫質底の流失と水質汚濁,多量の農薬使用等による成長阻害が主な要因である.
生活史の初期段階の寄主となるコイ科,ハゼ科,産卵母貝となるタナゴ類等の減少.
 ●参考文献
近藤高貴.1995 .マツカサガイ.日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料.U巻:3- 6 .日本水産資源保護協会.
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.

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