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●種の特性
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殻長が最大で30cm ,普通は15 〜20cm 程度の大型淡水二枚貝.幼貝に後背縁上に低い翼状突起があり,成長と共に低くなるが,波状の皺となって残るのが種の決め手.殻は薄く,光沢のある緑褐色から黒褐色.色や形態から,二枚の貝殻の交歯のないドブガイとよく間違えられる.
3 月から7 月に産卵.雌の鰓葉内で受精し,グロキディウム幼生となって魚の鰭に寄生する.生息地底質は泥質が中心で,多少砂が混じる程度まで生息.
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●生息状況
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北海道から九州にかけて,平野部の湖沼や大河川の下流域,海岸部の潟湖やそれを起源とする湖沼に生息.他種より塩分耐性が強い.
県内では三方湖,菅湖,水月湖に生息していたが,1985 年頃以降生息が確認されていない.
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●存続を脅かす要因
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止水域の埋め立て,湖沼の護岸工事などによる生息環境の直接的改変,および底質の変化や生活廃水の流入などによる湖沼の水質悪化が主な要因である.
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●参考文献
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窪田彦左衛門.1962 .福井市立郷土博物館所蔵 貝類標本目録.242pp .福井市立郷土博物館.
福井県.1998 .福井県の陸水生物.203pp .福井県.
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