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●種の特性
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現存するカメ類の中で最大となる種で,甲羅の構造は他のウミガメ類と異なり,小骨片が多数集まって一枚の薄い板状となっている.この表面に縦に走る7 条の隆起線がある.色は暗褐色か濃いブルー,時に黒色となる.
甲羅の形は長いハート形に近い.最大甲長200cm ,体重500 sに達する. 産卵期以外は外洋で漂泳生活をしている.魚類,大型プランクトン(クラゲ類やサルパ類)を補食するが,流れ藻となった海藻類も餌として利用する.
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●生息状況
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太平洋,大西洋,インド洋の暖海外洋の海域に広く生息,分布するが,我が国では北海道の北部にも出現したことがある.
県下でも10 例以上の記録があり,甲長は100cm 以上のものが多い. 主な産卵場はマレー半島やセイロン島であるが,南米のエクアドルからパナマ地方にも小規模な産卵場が知られている.
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●存続を脅かす要因
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本種の産卵場における上陸頭数は,激減していることが確認されている.その要因の一つに海洋汚染がある.
漂着した死亡個体の胃や腸から100 枚以上のビニール袋が発見された事例が後を絶たない.プラスチック製品等の海洋投棄が存続の脅威となる.
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●参考文献
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西村三郎.1968 .日本のウミガメ.Nature Study .14(6):2- 7 .
松村初男.1996 .ウミガメ類.石川県の両生,爬虫類.61- 72 .石川県.
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