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●種の特性
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大型になるウミガメで,甲羅は褐色の混ざった濃い緑またはオリーブ色であるが,30 p以下の幼体では赤褐色で放射状の模様があるため,タイマイと紛らわしくなることがある.鱗板は中央に5 枚,左右に4 枚で,アカウミガメと本種では頭部の前額鱗板が2 枚(1 対)に対し,タイマイでは4 枚(2 対)で吻が鉤状なのでそれぞれ区別できる.甲羅の形は短い楕円形.最大125cm ,体重250 sに達する.
植物食性で,波静かな内湾や入り江の砂泥底に繁茂するアマモやヒルモ等の海産顕花植物を主食としている.
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●生息状況
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熱帯,亜熱帯の前記した沿岸に広く棲息,分布するが,長距離回遊の能力がある種で,我が国近海にもしばしば来遊する.
県下では甲長50 pから100cm までの個体が記録されている. 主な産卵場所はインドネシアやハワイ諸島であるが,我が国では小笠原諸島となっている.
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●存続を脅かす要因
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卵は現地で食用にされ,肉はウミガメスープの好材料とされているため,近年世界的に産卵上陸の頭数は減少傾向にある.特に産卵場の消失は存続の脅威となる.
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●参考文献
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西村三郎.1968 .日本のウミガメ.Nature study .14(6):2- 7 .
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