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●種の特性
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ウミガメ類の中で最も美しい黒褐色の雲上模様がある鱗板を持つ.甲羅の形はハート形で,甲長は最大でも90p以下.県下に漂着,捕獲されるものは30 〜40 p以下の幼体が多く,鱗板は瓦状に重なっているのが特徴.
鋭い鉤状の口で,主に海綿類,エビ,カニ類,ウニ類等の無脊椎動物を補食する.
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●生息状況
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太平洋,大西洋,インド洋等の熱帯,亜熱帯のサンゴ礁や岩場に広く棲息,分布する.
幼体の時期には暖流に乗って回遊し,県下の沿岸には晩秋から冬に漂着して捕獲され,現在10 例近くの出現記録がある. 主な産卵場はフイリピンやソロモン諸島等で,我が国では沖縄以南のごく限られた海域と推定されている.
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●存続を脅かす要因
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美しい鱗板をべっ甲として,装飾加工品の好材料にされ,需要が多い.そのため乱獲によって世界中に減少している.
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●参考文献
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西村三郎・安田徹.1967 .日本海におけるタイマイの出現記録.京大瀬戸臨海実験所研究報告.15(4).297- 302 (英文).
安田 徹.1968 .福井県敦賀半島で捕獲されたタイマイ.採集と飼育.30(1 ):8- 9 .
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