福井県レッドデータブック データベース

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哺 乳 類
 

 ユビナガコウモリ

 

 コウモリ目ヒナコウモリ科

 Miniopterus fuliginosus (Hodgson)

 福井県カテゴリー  県域準絶滅危惧
 環境省カテゴリー  −
 
 
 
  
 ●種の特性
洞穴をねぐらとしているコウモリで,数百から数万の大群を形成する.本種は他のヒナコウモリ科のコウモリと比較して,長距離の飛翔が可能である.
初夏になると雌親ばかりの出産哺育集団を形成し,1子を出産する.幼獣は生後30〜40日ぐらいで飛翔できるようになる.
餌となる昆虫類の飛翔が減少する冬季には冬眠する.
 ●生息状況
本州,四国,九州および幾つかの島部で生息が知られており,本県の周辺の県でも生息が確認されている.
本県では,上中町の農業用水路と小浜市の石灰洞で生息が確認されており,上中町には数千頭が冬眠のために集まってくる.三重県北勢町のマンガン廃抗で標識された個体が,直線距離で約70km 離れた上中町で確認されている.
 ●存続を脅かす要因
洞穴内にごみを捨てるなど,生息洞の環境が悪化している.また,懸下しているコウモリに人間が触れるなどの行為でも,生息を脅かす要因となる.
採餌空間としての森林が伐採などにより減少している.
 ●参考文献
阿部永(監).1994 .日本の哺乳類.195pp .東海大学出版会,東京.
福井県.1998 .福井の鳥とけものたち.222pp .福井県.
日高敏隆(監).1996 .日本動物大百科1 哺乳類T.156pp .平凡社,東京.

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