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●種の特性
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真冬に,山地の積雪の上に現れる無翅のガガンボの一種で,チビクモガタガガンボ(Chionea gracilistyla )に近縁.体は黄褐色で,体長4.5mm 前後.長い脚には長剛毛を無数に生ずる.雪の上を歩くこの虫の姿は,クモかザトウムシのようにも見える.
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●生息状況
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1998 年2 月に,福井市深谷で初めて発見された種で,他の地域からの記録はまだない.深谷では,厳冬期に雪の上を活発に歩く姿がまれに発見される.標高150m の広葉樹林域で採集されたが,同様の環境は各地に広く存在するため,今後の調査によっては,広く分布している可能性がある.
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●存続を脅かす要因
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この種がどのような生活史を持っているのか,ほとんど知られていない.
里山を含む低山地自然環境の多様性の消失は本種の生存の脅威となる.
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●参考文献
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西治 敏.1998 .福井市深谷のガガンボ.福井虫報.(22 ):23- 28 .福井昆虫研究会.
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