福井県レッドデータブック データベース

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昆虫類
 

 ホクリクヒメハナカミキリ

 

 コウチュウ目カミキリムシ科

 Pidonia jasha S.et A.Saito

 福井県カテゴリー  要注目
 環境省カテゴリー  ―
 
 
 
  
 ●種の特性
体長約9mm .背面は黒色,各鞘翅には肩部から後半に掛けて太い黄色縦帯があり,その後方には幅広い黄色横帯を持つ.雄は雌より黄色帯が発達し,全体に明るい.従来,ナガバヒメハナカミキリとして知られていたが,北陸地方産群は雌触角色彩や雄下面の色彩が異なるとして別種とされた.
低山から山地帯に広く分布し,個体数も多い.初夏に発生し,梅雨半ば頃には姿を消す.自然度の高くない林にも生息し,花に来集する.広葉樹の細い枯枝で成育する.
 ●生息状況
本県を含む北陸地方のみに分布し,西は敦賀市周辺から北は長野県北部に至る.その分布圏の北東には同種群のトウホクヒメハナカミキリが,それ以外にはナガバヒメハナカミキリがいる.つまり,この3 種は置き換え種と思われる.
本県では敦賀市周辺を含む嶺北地方の低山地から上部に広く分布していると思われる.かつてはナガバヒメと混同されていた.本種は今庄町夜叉ヶ池をタイプ産地として新種記載されたもので,種小名のjasha は“夜叉ヶ池”にちなんだものである.
 ●存続を脅かす要因
生存力の強い種であるが,急激で徹底した伐採は,生息環境を消失することとなる.
 ●参考文献
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.

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