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●種の特性
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体長約20 〜30mm .重量感のある大型のコガネムシ.全体濃褐色,腹部は膨らみ,背面から見える.頭部は小さく,前胸は小柄で前半中央に縦溝を持つ.一見,カブトムシの雌に似るが,前胸は小さく,鞘翅幅より明らかに狭い.
梅雨後半から初秋に掛けて出現する.保存状態の良いブナ帯に生息し,広葉樹の太い朽ち木の洞内で成育する. 普段はあまり洞からは離れず目に付かないが,特に雨上がりに飛翔し,時に燈火に飛来する.体から独特の匂いを発し,本種が潜んでいる洞周辺に漂っているという.
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●生息状況
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本州,四国,九州,屋久島に分布する.
本県では大野市,今庄町,池田町で記録されている.大野市仏原ダムでは灯りに飛来したものや,同市池ヶ原では洞内のフレークから幼虫が採集された記録がある.
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●存続を脅かす要因
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本種は太い朽ち木のみで成育するが,このような朽ち木の成り立ちには長い年数を必要とし,古くから伐採されずに残された森林を土台とする.現在,本種が確認された地域は過度な伐採は行われていないが,このような生息環境の改変は,本種の存続を脅かす.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
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