-
●種の特性
-
体長は雄で約30 〜70mm 前後,雌で約25 〜40mm .日本産クワガタの中では最大級.しかし,大型の個体は少なく,一般では小〜中型の個体が多い.
西日本では低山のクヌギ林に生息しているが,東北では山間のブナ帯に進出している.かなり状態の良い朽ち木で成育し,夜間のみに活動する.
-
●生息状況
-
北海道南部から九州,対馬に分布する.
本県では福井市内の里山林と大野市だけで知られる.前者は近年の記録で,当地は低山でクヌギ林が残っている.後者は古い記録であるが,当地はブナ帯で,ヒメオオクワガタ等の寒冷地傾向の昆虫相で知られ,本種の一般的な生息環境とは異なるため,記録に疑問の余地が残る.しかし,上記のように寒冷地ではブナ帯にも進出している事から,否定できない.例えば,当地付近には暖地傾向で知られるオオゴキブリやシワナガゴミムシダマシの記録がある.
-
●存続を脅かす要因
-
本種の生息に適する里山環境の開発.
繁殖方法はほぼ確立されているようだが,業者やブームに乗ったマニアの採集圧が高い.
-
●参考文献
-
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.288pp .福井県.
|