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●種の特性
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体長23 〜26mm .雄が背中に卵を背負い,孵化するまで保護する.本種は近縁種のコオイムシと比べて,濃色で,体が大きく,脚が太短く,前腿節のふくらみが強いことで識別される.
水生植物が繁茂した浅いため池,湿地,休耕田などに見られる.
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●生息状況
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本州から九州に分布し,コオイムシと比べると,丘陵部から山地に多く,水深が浅くて水温が低い環境に生息する.
福井県での採集記録地はコオイムシに比べると多いが,生息地は限られてきており,局所的である.
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●存続を脅かす要因
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本種はコオイムシと比べると比較的個体数も多く,分布域も広い.しかし,かつては福井県全体に分布していたであろう本種も,現在では,その分布域は局所的になってしまった.このまま水辺環境の悪化が進めば,本種の絶滅する可能性は高い.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会.1998 .福井県昆虫目録(第2 版).556pp .福井県. 日浦勇.1993 .半翅目.原色日本昆虫図鑑(下):95- 174 .保育社.大阪. 宮本正一.1965 .半翅目.原色昆虫大図鑑V:75- 112 .北隆館.東京. 都築裕一.2000 .水生昆虫 完全飼育・繁殖マニュアル.255pp .データハウス.東京.
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