福井県レッドデータブック データベース

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昆虫類
 

 ヒメハルゼミ

 

 カメムシ目セミ科

 Euterpnosia chibensis chibensis Matsumura

 福井県カテゴリー  県域準絶滅危惧
 環境省カテゴリー  ―
 
 
 
  
 ●種の特性
体長3cm 程の小型の細長いセミで,緑色の地に黒斑と緑褐色斑がまじり,腹部は主に褐色をしている.
常緑樹林のシイやイチイガシ,ブナ科の樹木との結びつきが強く,集団で同調的に「ウィーン,ウィーン」と鳴き,森全体が唸っているように聞こえる.
 ●生息状況
本州,四国,九州,トカラ列島,奄美大島,徳之島に生息する暖地性昆虫で,局所的に分布しており,茨城県,千葉県,新潟県,岐阜県などでは天然記念物に指定されている.
県内では,三方町御神島が唯一の生息場所である.御神島のスダジイ林には多くの個体が生息しており,6 月頃から羽化し始め,7 月にはスダジイ林を揺るがすような大合唱を聞くことができる.
 ●存続を脅かす要因
御神島での生息状況は,みどりのデータバンク(1985 )の調査時からほとんど変化していないものと思われる.しかし,今後,サギのコロニーの拡大などの自然環境の改変が,脅威となる可能性もある.
 ●参考文献
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会.1998 .福井県昆虫目録(第2 版).556pp .福井県.
日浦勇.1993 .半翅目.原色日本昆虫図鑑(下):95- 174 .保育社.大阪.
宮本正一.1965 .半翅目.原色昆虫大図鑑V:75- 112 .北隆館.東京.

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