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●種の特性
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寒冷地の植生豊かな池沼に生息する北方系種で,福井・岐阜県境付近が国内の分布南西限となっている.大野市刈込池では成虫は6 〜9 月に出現する.雌には青色型と緑色型の2 型があるが,刈込池では前者の割合が高い.
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●生息状況
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国内では北海道と福井・岐阜県境以北の本州に分布する.本州では比較的標高の高い地域に分布が限られるが,石川県では標高約50m の低地に生息する例が知られる.
県内では大野市小池,刈込池のみが知られていたが,2001 年に大野市南六呂師の溜池でも発見された.
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●存続を脅かす要因
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県内最大の産地である刈込池には今のところ生息を脅かす要素は存在しないが,大野市に隣接する岐阜県の池では,人為的に持ち込まれたコイの捕食圧により激減している例が報告されている.
刈込池には極めて多産するが,小池(下小池)では,周辺の環境変化のためか,近年はかなり減少している.
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●参考文献
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福井県自然環境保全調査研究会編.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
杉村光俊・石田昇三・小島圭三・石田勝義・青木典司.1999 .原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑.xxxv + 917pp .北海道大学図書刊行会,札幌. 和田茂樹・長田 勝.1995 .1995 年に福井県で採集したトンボ類.福井市自然史博物館研究報告,(42):81- 88 .
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