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●種の特性
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福井県では,平野部で3 月下旬,奥越の山間部で4 月下旬より成虫が出現し,スミレ,サクラ,ショウジョウバカマ,カタクリなどの花に訪れる.母蝶はウマノスズグサ科のカンアオイ,ヒメカンアオイ,フタバアオイの新葉の裏面に十数個の卵をまとめて産む.
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●生息状況
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日本特産種で,本州中部以南に分布する.
本県全域に広く分布し,生息地は主に標高500m 以下の落葉広葉樹林である.特にコナラを主とした二次林では,発生個体数が多い.
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●存続を脅かす要因
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本種は春の女神と称され,昆虫マニアの人気が高く,毎年県外からも採集者が訪れている.よって,採集圧の高い地域では,個体数の減少を引き起こす恐れがある.
嶺北地方の山間部の個体群は,生息環境や生態が平野部と違っており,自然林内に生息していることから,森林伐採も個体数の減少を引き起こす.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会.1998 .福井県昆虫目録(第2 版).556pp .福井県. 井崎市左ェ門.1955 .福井県の蝶.福井県博物同好会会報,(2 ):45- 55 .福井市立郷土自然科学博物館. 川副昭人・若林守男.1976 .原色日本蝶類図鑑.422pp .保育社.大阪.
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