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●種の特性
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茶褐色の地色に雄では前翅裏面に白色紋を,雌では表裏に目立つ白色紋を有する.幼虫が岩場に生えるヒメノガリヤス(イネ科)などを食すためか,生息地は渓流沿いの崖や岩場に限定される.通常は年2 回の発生で6〜7 月に第1 化が,2 化のものは8 〜10 月まで連続的に発生する.奥越地方の標高の高いところでは年1 化の発生.
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●生息状況
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北海道,本州,四国に分布するが生息地は限られる.国外ではウラル,アルタイ,中国,朝鮮,アム−ル,サハリンなどに分布する.県内では和泉村,大野市からの記録があるが,さらに勝山市,今庄町からも採れている.今庄町が本州の南西限の生息地となる.いずれの生息地でも個体数は少ない.
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●存続を脅かす要因
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これまでに知られている生息地の殆どが道路脇の狭い崖や岩場で,崖の崩落防止の工事など,環境の改変にはきわめて弱い.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
井崎市左エ門.1955 .福井県の蝶.福井県博物同好会.(2):45- 55 .福井市立郷土自然科学博物館. 川副昭人.1976 .原色日本蝶類図鑑.保育社.大阪.
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