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●種の特性
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1973 年に北海道恵山産の雌の標本に基づき記載された.雄は分かっているがまだ正式に記載されていない.
体長8 〜10 o.アイヌキマダラハナバチ群に属し,体の大部分が黒色で黄色紋がありナミギングチバチ類に似ている.また,前伸腹節の心形域は全面が微細彫刻され指紋状の条刻があるなど,春発生する他の多くのキマダラハナバチとは違った形態的特徴を持つ. 夏秋に発生し,大型のコハナバチ類に寄生するのではないかと言われているが確証はない.
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●生息状況
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全国的にもまれな種で,北海道以外は埼玉県と福井県の記録しかない.
本県では大野市赤兎山,嵐,下打波(谷山),中島(大雲谷),巣原(平家平)で,山中の登山道の路面を飛んでいたり,路傍の花に来たものが採集されている.
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●存続を脅かす要因
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1980 年頃多くの雌雄が生息していた大野市中島大雲谷林道は,その後の堰堤工事に伴う道路改修で本種を見かけなくなった.林道や登山道の大幅な整備拡張や舗装などが本種の生存を危うくする要因である.
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●参考文献
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羽田義任.1975.ハチあれこれ.蜂友通信,(2):6- 8.日本蜂類研究会.
羽田義任.1977.キマダラハナバチ3 題.蜂友通信,(5):4- 5.日本蜂類研究会. Tsuneki,K.1973.Studies on Nomada of Japan.Etizenia,(66):1- 141.福井大学教育学部.
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