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●種の特性
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体長1cm たらずで日本産のムカシハナバチの中では最も小型である.胸部は黄褐色の毛でおおわれ,腹背節の後縁には白色の毛帯があり,スマートで美しいハチである.
9 月中旬から10 月にかけて河川域に姿を現し,砂混じりの地中に穴を掘って巣を作り,花粉や蜜を集めて幼虫を育てる.
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●生息状況
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本州(宮城,長野,石川,福井県),九州(熊本,宮崎,鹿児島県),対馬に分布する.
本県では三国町三里浜,勝山市中島,下荒井,大野市花房,森目,麻生島,唯野など海岸地域と九頭竜川中流の河川域に生息する.他県ではかなり上流の河川域からも記録されているが,本県では大野市唯野より上流では見つかっていない.
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●存続を脅かす要因
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海岸,河川敷の開発が第一の要因である.三里浜は臨海工業地帯として開発されて,本種の生息地が極端に狭まっている.九頭竜川の河川敷はまだ比較的本種の生息環境に適した自然が残されているが,今後改変が進むと本種の存続を脅かすこととなる.
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●参考文献
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Ikudome,S.1989.A revision of the family Colletidae of Japan.Bull.Inst.Minamikyushu Reg.Sci.,(5):43- 314.鹿児島女子短期大学.
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