福井県レッドデータブック データベース

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昆虫類
 

 ニッコウツヤアナバチ

 

 ハチ目ドロバチモドキ科

 Alysson monticola monticola Tsuneki

 福井県カテゴリー  県域絶滅危惧U類
 環境省カテゴリー  ―
 
 
 
  
 ●種の特性
1977 年,埼玉県雁坂峠産の標本に基づき記載された.栃木県奥日光の金精峠で多く採れ,和名をニッコウと命名された.近似種のハクサンツヤアナバチより,やや小型で体の黄色紋が発達している.より高地(標高約2,000m )まで分布する.ヨコバイ類を狩り,腹合わせに大顎で獲物の頸部をくわえ,脚を使わず空中運搬する.涼しい登山道を選び土中に営巣する.
 ●生息状況
本県では,1978 年大野市嵐採集が初記録である.1980 年には赤兎山登山道で多数採集できた.1998 年の調査では,大野市六本桧,中洞,巣原(平家平)で採集された.中洞は標高600m 未満であるが,その他の産地は1,000m 以上の亜高山地帯である.
 ●存続を脅かす要因
本種は,比較的涼しくやや湿った感じの裸地に営巣し,奥越地方の亜高山地帯の登山道付近に生息する.かつては,このような山道が各地にあり,人々の生活と密接に結びついていた.過疎化し車社会になった今日,それらの山道は荒れ果て,本種の生息できる環境は極端に減り始めている.
 ●参考文献
Tsuneki ,K .1977 .Two new species of the genus Alysson Panzer (Hymenoptera,Sphecidae)in Japan .Konty u .45 (1):26- 32 .
室田忠男.1978 .福井県の蜂分布資料.蜂友通信.(7 ):12- 14 .日本蜂類研究会.
黒川秀吉・室田忠男.1980 .福井県の蜂分布資料.蜂友通信.(12):22- 24 .日本蜂類研究会.

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