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●種の特性
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1958 年に青森県産の標本により記載された.
雄は体長7mm ,雌は9mm 前後の黒色の小型種である. 竹筒やその他の既存坑を利用して巣を作り,泥で仕切った数個の独房を連ねる.幼虫の食べ物として,カニグモ類やハエトリグモ類などを狩り入れる.
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●生息状況
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青森,埼玉,石川,福井県などから記録されている北方系のハチである.
県内では大野市赤兎山,上秋生,和泉村角野前坂,荷暮,今庄町夜叉ケ池,三方町三十三間山から記録されているが,各地とも個体数は少ない. 夏から秋にかけて,山間部の出作り小屋や民家付近の薪や竹などの置き場の,やや薄暗い所に生息している.
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●存続を脅かす要因
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小さなハチなので僅かな環境の変化に左右される.造巣場所の竹や幼虫の餌のクモがたくさんあっても,湿度,明るさなどが変わると生息しなくなる.山仕事の出作り小屋や藁葺きの人家など,本種の生息に適した環境が失われていくことが第一の要因である.
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●参考文献
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室田忠男.1980 .赤兎山の注目すべき蜂類.蜂友通信,(12):11- 15 .日本蜂類研究会.
野坂千津子.1997 .福井県蜂類分布資料.福井虫報,(20):9- 12 .福井昆虫研究会.
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