福井県レッドデータブック データベース

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昆虫類
 

 チャイロスズメバチ

 

 ハチ目スズメバチ科

 Vespa dybowskii Andre

 福井県カテゴリー  県域絶滅危惧U類
 環境省カテゴリー  ―
 
 
 
  
 ●種の特性
体長は雄が26mm 前後,女王蜂が29mm 前後,働き蜂が18 〜24mm である.頭胸部は主として赤褐色で,腹部は全体が黒褐色である.
本種はモンスズメバチやキイロスズメバチの一時的社会寄生者として知られる.春,女王蜂はしばしば働き蜂の羽化した宿主の巣に侵入して巣を乗っ取り,働き蜂にわが子を育てさせる.しばらくは両種の働き蜂が共存するが,やがて宿主の働き蜂は死に絶えて,巣はチャイロスズメバチだけのものになる.
 ●生息状況
北方系の種でウスリー,中国大陸,日本に分布する.
わが国では北海道から東北,中部地方の山地に生息し,特に日本海側からの記録が多い.
福井県は分布の西南限である.県内では大野市,池田町の山地,丹生山地のほか三方町の海岸近くからも記録されている.
スズメバチ類は他の昆虫を狩り幼虫の餌とするので,植物を食害する他の昆虫の異常な増加を防ぐ大切な役割をになっている.
 ●存続を脅かす要因
生態系のバランスが崩れると本種の生存も危うくなるので,急激な自然環境の改変は存続に影響する.
 ●参考文献
羽田義任.1991 .大野市小池でチャイロスズメバチを記録.福井虫報,(9):18 .福井昆虫研究会.
羽田義任.1995 .酒カップで採集したチャイロスズメバチ.福井虫報,(16):49 .福井昆虫研究会.
羽田義任・野坂千津子・飯田忠嗣・黒川秀吉・室田忠男.2001 .福井県越知山の有剣蜂類.福井虫報,(29):7- 16 .福井昆虫研究会.
室田忠男.1994 .福井県蜂類分布資料.福井虫報,(15):49- 50 .福井昆虫研究会.

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