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●種の特性
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体長は8 〜11mm で,体に黄・赤褐色のまだら模様を持つ美麗種である.
生活史は不明な点が多いが,卵はヤナギやネムなどの葉に産み付けられ,この卵が葉を食べるチョウ目の幼虫の体内に入り,チョウ目の幼虫はスズメバチ類の餌となる.そして,カギバラバチの幼虫がスズメバチの幼虫の体内で成長するという複雑な生活をする寄生蜂である.
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●生息状況
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本州,四国,九州,南西諸島,台湾に分布する.
県内では,和泉村,大野市,美山町で,9 月中旬〜10 月中旬にかけて採集されている. アリマキのついたクルミやナシの木の葉に甘露を求めて飛来するが,詳しい生息場所などは不明である.
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●存続を脅かす要因
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農山村の過疎化が進み木造家屋が少なくなって,宿主であるスズメバチの営巣場所が狭まったことや,除草剤,農薬の空中散布などが存続を脅かしている.
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●参考文献
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田埜正・室田忠男.1998 .足羽川流域のハチ目.足羽川流域の生物調査,57- 85 .福井県高等学校生物研究会.
Tsuneki,K.1991.Revision of the Trigonalidae of Japan and her adjacent territories.SPJHA,(37):1-68.日本蜂類研究会.
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