-
●種の特性
-
体長1.7 〜2.0mm .小型で美しいヒメテントウである.クロスジヒメテントウに酷似するが,亜属が異なり,腹部第1 節の腿節線が完全なことで区別できる.
1996 年,敦賀市中池見湿地を基準産地として新種記載された. 湿原のヨシに生息するという特殊な生態を持つ.分布上も生態学的にも非常に重要な種である.
-
●生息状況
-
敦賀市中池見(6月),栃木県渡瀬遊水池より記録されている.
本県の敦賀市中池見湿地が分布北限である. 中池見は水田の広がる湿地であり,そこに生育するヨシをスイーピングすることによって採集されることが多い.
-
●存続を脅かす要因
-
本県唯一の産地である敦賀市中池見湿地は,25ha の湿地であるが,その地形は袋状埋積谷のいわゆるおぼれ谷で,通常の近代水田耕作を困難にしている.そのため,かつては日本列島各地に普遍的であったであろう自
然環境の遺存を見ることができる.しかし,現在はLNG 備蓄基地計画のため一部の保全エリアを残して埋め立てが進んでいる.そのことにより,厳しい環境に遺存してきたであろう中池見湿地の本種地域個体群の存続が脅かされる危険がある.
-
●参考文献
-
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
|