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●種の特性
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山地に生息する.幼虫はブナやカツラなどの広葉樹およびコメツガなどの針葉樹の朽ち木に生息し,特に褐色に腐朽した朽ち木によく見られる.成虫は秋に羽化し,新成虫はそのまま朽ち木の中で過ごし,翌年の晩春から初夏にかけて出現する.夏には朽ち木外活動も行い,灯火に飛来することもある.
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●生息状況
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ツヤハダクワガタは本州・四国・九州・北海道に広く分布し,そのうちの1 亜種ミヤマツヤハダクワガタは本州中部から紀伊半島にかけて分布する.
本県では,Araya (2001 )が大野市と勝山市で本種の分布を確認したばかりであり,詳細な分布状況は一切不明.
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●存続を脅かす要因
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森林の伐採や,自生している樹木とは異なる樹種(スギやヒノキなど)の植林行為,林道の建設による乾燥化など.個体数の多くない地域における採集圧も脅威となる.
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●参考文献
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Araya,K.2001.New records of Ceruchus lignarius monticola Nakane,1978 (Coleoptera,Lucanidae) from Fukui Prefecture,Central Japan,with the reference to Lucanid fauna of Fukui Prefecture. Sukunahikona :271- 273.
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