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●種の特性
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平地や丘陵地のヨシやマコモ,ガマが繁茂した沼池に生息し,特に周辺に森林がある丘陵地の沼を好む傾向が強い.
成虫は6 〜9 月にかけて見られる中型のヤンマで,未熟成虫は日中に発生地周辺の谷間などを高飛して摂食し,成熟成虫は黄昏時に活発に飛翔して摂食する.雌は単独で水際の朽ち木などに産卵する.
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●生息状況
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本州中部以南,四国,九州にかけて分布するが,産地は限られている.
県内では,金津町,福井市,敦賀市,三方町,小浜市などで6 月下旬から9 月上旬にかけて成虫が観察されるが,生息地はかなり限られている上に偶産記録が多い.
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●存続を脅かす要因
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産地が少ない上に,植生の遷移などによってほとんど見られなくなった生息地など,これまでの記録地の多くで記録がされなくなり,現存する生息地は1 カ所しかない.
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●参考文献
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福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会編.1998 .福井県昆虫目録(第2 版).556pp .福井県.
浜田康・井上清.1985 .日本産トンボ大図鑑.371pp .講談社. 石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊.1988 .日本産トンボ幼虫・成虫検索図説.140pp .東海大学出版会. 和田茂樹.2000 .中池見湿地のトンボ相.中池見湿地(福井県敦賀市)学術調査報告書−第二次学術調査結果の報告−:18- 50 .
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