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●種の特性
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平地や丘陵地の河川中流〜下流に生息する中型で太身のサナエトンボで,幼虫は水深のある緩流部の泥底に浅く潜って生活する.成虫は4 〜6 月に出現する.
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●生息状況
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日本特産種で,北海道,本州,四国,九州および佐渡島に分布する.近年都市周辺を中心に激減しており,近隣の石川県,富山県では近年全く確認されていない.
県内で現在も生息が確認されているのは,金津町,丸岡町の竹田川中流,坂井町,春江町の兵庫川,福井市,鯖江市,武生市の日野川中流などに過ぎない.
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●存続を脅かす要因
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本種は平野部の河川中流〜下流に生息するため,生息環境を消失させる工法による河川改修や,水質汚濁の進行が幼虫の生息に悪影響をもたらす.
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●参考文献
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福井県自然環境保全調査研究会編.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
石川県野生生物保護対策調査会.2000 .石川県の絶滅のおそれのある野生生物〈動物編〉−いしかわレッドデータブック−.石川県. 杉村光俊・石田昇三・小島圭三・石田勝義・青木典司.1999 .原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑.xxxv + 917pp .北海道大学図書刊行会,札幌.
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