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●種の特性
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雌雄異形で雄の翅表は青藍色,雌は全体が黒褐色のものから白色や青色斑のあるものなど色彩的変異に富む.2齢以後の幼虫はクロオオアリの巣の中で育つことが知られている.年1 回,6 月下旬から出現し8 月まで見られる.成虫の飛翔は速いがヒメジオンなどの花に吸蜜に来るため観察は容易.
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●生息状況
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中国中北部,朝鮮から国内では本州,四国,九州に分布する.県内では和泉村下大納からの記録があるが,さらに数カ所から見つかっている.大野市南六呂師からの情報もある.生息地は渓流沿いに点在し,一部の地点で伐採等の影響で減少したところがある.
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●存続を脅かす要因
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和泉村では発見当初から村の「自然風物保護に関する条例」で保護対象(第3 条に基づく「保護物件」)に指定されており,採集禁止の立て看板が設置されているが,生息地の保護策はとられていない.生息環境は比較的安定した状態にあるが,森林伐採等,生息地の改変は脅威となる.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
川副昭人ほか.1976 .原色日本蝶類図鑑.保育社.大阪. 西村義信.1980 .福井県よりムモンアカシジミとクロシジミを発見.だんだら(1):14- 15 .福井むしの会.
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