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●種の特性
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旧北区に広く分布するHalictus tumulorum の亜種として,1979 年に北海道産の標本に基づいて記載された.
体長約7mm ,体はやや黒みがかった銅色光沢をもつ.近似種のアカガネコハナバチとは,後頭部の形状から容易に区別できる. 7 月から10 月にわたり河川域に姿を現し,河原の砂地に穴を掘って巣を作り,花粉を集めて幼虫を育てる.
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●生息状況
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沿海州,サハリン,中国東北部,北朝鮮,日本に分布する.
日本では北海道には普通に見られるが,南へ行くほど数が少なくなる.詳細な調査はないが,本州中部では極めてまれな種となり,福井県は分布の南限である. 本県では大野市勝原,和泉村谷戸口,前坂,小谷堂など,九頭竜川の中上流の河川敷に生息している.
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●存続を脅かす要因
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営巣地である河川敷の改変が第一の要因である.従来の生息地のうち,谷戸口は他所から運び込まれた土砂で埋め立てられ,前坂はキャンプ地になり本種の生息が認められなくなった.自然の砂地が残る河川敷の減少は本種の存続を脅かす.
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●参考文献
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羽田義任.1989 .福井県蜂類分布資料.福井虫報,(5):18- 21 .福井昆虫研究会.
Sakagami,S .&Ebmer,A.1979 .Halictus (Seladonia)tumulorum higashi ssp.nov.from the Northeastern Palaearctics .Konty u,47(4):543- 549.
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