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●種の特性
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体長約23mm 内外.黒色の体に黄色の斑紋と赤褐色の脚を持つ美麗種である.
松林の中の廃道となった車道で,日当たりの良い,良く固まった砂の裸地を選んで営巣する.大型のイナゴ,バッタ類を狩り,最初の獲物に産卵し,次々と狩った獲物をずらせ重ねて貯蔵する.繭は幼虫が内壁の糸の隙間に,砂粒を口からの粘液で付着して作る.
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●生息状況
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中国から記載された種でモンゴル,朝鮮半島,日本に分布する.
わが国では本州,四国,九州の海岸や,河川下流に生息する. 福井県では敦賀市常宮,花城,三国町三里浜で記録されている.この中で三里浜は個体数も多く,詳しい生態が報告されたが,1977 年以降は急速に生息数は減少している.2001 年は,気象も原因してか,前年に比べて激減した.
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●存続を脅かす要因
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以前はどの海岸も,海岸から少し入ったところに防風林があり,人の手で適度に管理され,ここが砂地性蜂類のよい生息地になっていた.近年はコンクリート製の防波壁が作られたり,防風林は徹底した管理で除草や除草剤散布が行われるなどして,砂地環境が悪化し本種の存続を脅かしている.
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●参考文献
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羽田義任.1964 .キアシハナダカバチモドキ敦賀に産す.生物研究,8(4):57 .福井生物研究会.
Tsuneki,K .1965 .The nesting biology of Stizus pulcherrimus F.Smith (Hymenoptera,Sphecidae) with special reference to the geographical variation.Etizenia,(10):1- 21 .福井大学教育学部. 奥野宏・黒川秀吉.1976 .キアシハナダカバチモドキの生態.蜂友通信,(4):1- 16 .日本蜂類研究会. 奥野宏.1977 .キアシハナダカバチモドキの生態.蜂友通信,(6):7- 14 .日本蜂類研究会.
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