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●種の特性
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1963 年にヨ−ロッパでは普通種のtumidus の亜種japonensis として記載された.小さいが美しいハチである.
体長6mm 前後,第1 ,2 腹節が赤色で,顔面や腹部に黄白色紋がある. カメムシ目のアワフキを狩る.少し草のある河原の砂地に,10cm 以下の短い穴を堀り営巣する.
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●生息状況
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大阪,岡山,福井,石川,新潟県の記録があるが個体数は極めて少ない.
県内の採集地は,九頭竜川,真名川の河川敷で,勝山市発坂,大野市佐開,温見.発坂は1986 年以後,生息は確認されていない.温見は標高700m の上流で,堰堤工事の後,自然が戻り天然の砂地が僅かながら形成されている.生息地は河川敷の泥の少ないさらさらした粗めの砂地である.
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●存続を脅かす要因
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生存を脅かす第一の要因は,流水に洗われる清潔な砂が河原からなくなったことである.
今日多くの河川において,上流の森林の状態が良好でなく,護岸工事も進み,本種の生息に適する上記のような河原の減少があげられる.
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●参考文献
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羽田義任.1987 .ハナバチ・アナバチ類3 種の分布について.蜂友通信.(27):1 ‐2 .日本蜂類研究会.
室田忠男.1986 .カワラアワフキバチ,勝山市発坂に生息する.あられがこ,(24):57 .福井生物研究会. Tsuneki,K .1963 The tribe Gorytini of Japan and Korea (Hymenoptera ,Sphecidae).Etizenia ,(1):8 ‐9 .福井大学学芸学部.
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