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●種の特性
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体長9 〜14mm ,雄は大型になるに従って,独特の顕著な下頬突起をもつこと,大顎が異常なまでに伸長することを特徴とする.しかし,雌ではこのような変形は全く見られない.
習性は全く不明であるが,本州では山岳地帯に生息している.
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●生息状況
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シベリア,サハリン,朝鮮,千島および本州から発見されているが,奇妙なことに北海道からはまだ発見されていない.北海道は調査が不十分とは考えにくく,生物地理学的に興味のある話題を提供している.
本州では青森,宮城,福島,栃木,群馬,埼玉,新潟,長野,山梨,静岡,富山,石川,岐阜,福井県の山岳地帯から記録されている. 本県では勝山市法恩寺山,小原峠,大野市小池,嵐,六本桧など標高1,000m 以上の高地で,7 月から9 月にかけて記録されている.本県は分布の南限である.
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●存続を脅かす要因
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本種の習性は不明であり,県内の分布調査もまだ不十分であるが,豊かな生態系でなければ本種の生存は不可能と思われる.特に高地の落葉広葉樹林の改変は本種の存続を脅かす.
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●参考文献
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羽田義任.1997 .福井県蜂類分布資料.福井虫報,(20):3- 8 .福井昆虫研究会.
常木勝次.1956 .アギトギングチバチの種名,分布及び雄の多形等について.昆虫,24(3):128- 132 .
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