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●種の特性
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高層湿原などの寒冷地の湿地に生息する.成熟した雄は,湿地の開けた水面近くに静止し,なわばりを構える.
雌が近づくと連結し交尾する.雌は単独打水産卵をする. 成虫は6 〜9 月に記録があるが,7 月に多い.体はアカトンボを黒っぽくした小型のトンボで,顔面は鮮やかな乳白色である.
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●生息状況
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北海道と本州中部以北に分布し,産地は限られる.特に本州では,山岳地帯に点在的に生息するに過ぎない.
県内では,大野市赤兎山の赤池の7 月の記録があるだけで,個体数もたいへん少ない.
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●存続を脅かす要因
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県内唯一の生息地である赤池の保全が必要不可欠である.最近の登山ブームで,赤兎山への登山客が増加しており,赤池の環境悪化が懸念される.
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●参考文献
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浜田康・井上清.1985 .日本産トンボ大図鑑.371pp .講談社.
福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会編.1998 .福井県昆虫目録(第2 版).556pp .福井県. 石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊.1988 .日本産トンボ幼虫・成虫検索図説.140pp .東海大学出版会.
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