-
●種の特性
-
平地や丘陵地の,挺水植物や,ヒシ,コウホネ,ヒルムシロ,ジュンサイ等の浮葉植物が繁茂する,池沼に生息している.
幼虫は,水底の沈積物の陰や泥の中に,浅く潜って生活している.
-
●生息状況
-
日本,中国,朝鮮半島に分布している.国内では,本州,四国,九州に分布している.淡路島,壱岐などの離島にも見られる.
本県では,北潟湖周辺や三国町の灌漑用溜池で記録されているが,個体数の少ないまれな種である.成虫は,4 月下旬から5 月中旬にかけて見られる.
-
●存続を脅かす要因
-
幼虫は,比較的大きな池沼を生息域としている.灌漑溜池の改修工事等により,これらの水域から泥土の浚渫をしたり,水生植物の除去等をすることは,生活環境を狭めることになる.
ブルーギル,ブラックバス,ライギョ,コイ,フナ等の肉食・雑食魚により幼虫の捕食の影響が,近年大きくなってきた.芦原町の福良池では,個体数が激減し,最近ではほとんど見ることができなくなった.
-
●参考文献
-
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊.1988 .日本産トンボ幼虫・成虫検索図説.140pp .東海大学出版会.
|