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●種の特性
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平地から丘陵地の木陰の多い池,水田,畦間の緩やかな流れに生息する.日中は暗い林で休息し,早朝と夕方に活発に摂食活動を行う.成熟雄は,日中に林内で休息中の雌を探し出し,交尾する.雌は接泥静止産卵を行う.
成虫は,腹部が著しくくびれた黄緑色の細い中型のヤンマで,6 〜11 月にかけて見られる. 早朝と夕方に飛翔するため,通常のトンボ調査ではあまり記録されない.
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●生息状況
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北海道南部から沖縄まで,広く分布しているが,最近は減少している.
県内における最近の記録は,1992 年に高浜町で数頭の記録しかなく,たいへんまれなトンボである.
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●存続を脅かす要因
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本種が,最近減少傾向にあるのは,湿田の乾田化が原因の一つであるといわれている.
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●参考文献
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浜田康・井上清.1985 .日本産トンボ大図鑑.371pp .講談社.東京.
石田昇三・石田勝義・小島圭三・杉村光俊.1988 .日本産トンボ幼虫・成虫検索図説.140pp .東海大学出版会. 福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会編.1998 .福井県昆虫目録(第2 版).556pp .福井県.
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