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●種の特性
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水の澄んだ河川の上流域から中流域上部にすむ.瀬のれき底に潜み,主に水生昆虫,底生の小甲殻類を餌とする.産卵期は3 〜6 月,卵は大型でふ化後生涯を河川で過ごす.
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●生息状況
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本州・四国・九州(北西部)に分布し,河川や湖沼に広く生息する.
本県では大小多くの河川に分布し,生息数も非常に多かった.しかし近年になり,分布域,生息数共に減少し,九頭竜川水系,南川,北川,佐部利川などの上流域に僅かに生息する程度である.
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●存続を脅かす要因
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ダム,堰堤,護岸工事,森林の伐採と道路工事などの影響で,本種の生息環境が悪化したことによる.回遊型と異なり,他の河川への移動は不可能で,生息河川の生息環境の悪化は本種の存続を脅かすこととなる.
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●参考文献
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福井県.1998 .福井県の陸水生物.203pp .福井県.
後藤 晃.1989 .カジカ.日本の淡水魚.川那部浩哉・水野信彦編・監修:666- 667 .山と渓谷社,東京. 加藤文男.1993 .福井県河川に生息するカジカの生態的2 型―形態と分布―.福井市自然史博物館研究報告(40 ):53- 58 宮地伝三郎・川那部浩哉・水野信彦.1976 .原色日本淡水魚類検索図鑑.462pp .保育社,大阪. 中村守純.1984 .原色淡水魚類検索図鑑.262pp .北陸館,東京.
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