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●種の特性
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2 年間を海で過ごし,口の吸盤で魚の皮膚にとりつき,赤血球と筋肉を溶かし,血液ともに吸引する.
5 〜6 月頃に遡河する.産卵は,中流域のれき底で雌雄1 対によって行われ,産卵後はへい死する.アンモシーテス幼生は中流域の淵や下流域の柔らかい泥中にもぐって生活し,泥中の有機物や珪藻類を摂る.秋より冬に変態し,春に15 〜20cm で降海する.
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●生息状況
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本州(太平洋川で利根川以北,日本海側では島根県以東),北海道,樺太,治海州,朝鮮半島に分布する.
本県では県下一円の河川・湖沼に分布していたが近年は激減し,北潟湖,九頭竜川でわずかに確認される程度である.
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●存続を脅かす要因
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堰堤,護岸工事,用排水路工事,水質汚濁などで本種の生息環境が悪化し,個体数が極度に減少したものと思われる.
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●参考文献
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福井県.1998 .福井県の陸水生物.203pp .福井県.
宮地伝三郎・川那部浩哉・水野信彦.1976 .原色日本淡水魚類検索図鑑.462pp .保育社,大阪. 中村守純.1984 .原色淡水魚類検索図鑑.262pp .北陸館,東京.
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