-
●種の特性
-
大河川や湧水池に生息し,生涯を淡水域で過ごす.産卵期以外は水の澄んだ浅い砂または砂泥底に潜み,変態後は全く食物をとらない.
産卵期は4 〜6 月で,砂れき底にくぼみを作って産卵する.アンモシーテス幼生は川底の泥中にすみ,底泥の上面または中にある有機物をろ過して食う.
-
●生息状況
-
日本のほぼ全土,朝鮮半島東北部,沿海州,樺太,千島,オホーツク海,ベーリング海沿岸に注ぐ河川に分布する.
本県では,主要河川の上・中流域,湧水池などに分布していたが,生息数は激減し,九頭竜川水系,笙の川,北川,南川,佐分利川などに僅かにみられる.
-
●存続を脅かす要因
-
ダム,砂防堰堤,護岸工事,水質汚濁などで本種の生息環境が悪化し,個体数が極度に減少したものと思われる.
-
●参考文献
-
福井県.1998 .福井県の陸水生物.203pp .福井県.
岩田明久.1989 .スナヤツメ.日本の淡水魚.川那部浩哉・水野信彦編・監修.p.38 .山と渓谷社,東京. 宮地伝三郎・川那部浩哉・水野信彦.1976 .原色日本淡水魚類検索図鑑.462pp .保育社,大阪. 中村守純.1984 .原色淡水魚類検索図鑑.262pp .北陸館,東京.
|