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●種の特性
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翼の先だけが黒く全身が白いガン類で,内湾,湖沼,河川,広い水田地帯の安全なところで休息し,水生植物の茎や根などを餌とし昆虫なども食べる.
ツンドラ地帯で巣をつくり,大きなコロニーを作ることもあり,地上の浅いくぼみに草や苔類で皿形の巣を作り,自身の羽毛を敷いて産卵する. 越冬地では,他のガン類と同じく,イネの二番穂や落ち穂や水草の茎や根などを食べる.
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●生息状況
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北東シベリア.北米大陸の北極圏域で繁殖する.
日本には,1890 年頃までは東京湾に大群で飛来したらしいが,現在は全国的に稀な冬鳥として渡来するにすぎない. 本県は,1993 年にマガンの群中に初記録されて以来,数年に1 羽が記録されているにすぎない. 日本人には昔話や伝説などに登場する親しみ深い鳥だったが,かって狩猟鳥として銃猟の対象になったことから激減した.
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●存続を脅かす要因
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採食環境としての刈り取り後の水田は,ハクチョウ類とガン類にとって重要である.秋の田起こしにより餌となる二番穂の消失や,乾田化による湿地環境の減少が挙げられる.
特に飛来地である坂井平野一帯の水田環境の改変が挙げられる.
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●参考文献
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福井県.福井の鳥とけものたち.1998 .222pp .福井県.
高野伸二(編).1985 .山渓カラー名鑑 日本の野鳥.591pp .山と渓谷社.東京.
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