福井県レッドデータブック データベース

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鳥 類
 

 コノハズク

 

 フクロウ目フクロウ科

 Otus scops (Linnaeus)

 福井県カテゴリー  県域準絶滅危惧
 環境省カテゴリー  ―
 
 
 
  
 ●種の特性
全長約20cm の日本産フクロウ類の中で最小種である.大きな木のある深い森に夏鳥として渡来し,樹洞で繁殖する.「ブッキョッコー」と体に似合わない大きな声で連続して鳴くので,声の「仏法僧」として有名である.
夜行性で,昆虫類を主食とする.ミミズ,トカゲやカエル類,小鳥類,小型哺乳類なども捕食する.
 ●生息状況
本種はユーラシア大陸のウスリー地方から中国,東南アジア,インドに分布する.日本には,北海道から九州にかけて分布し,北海道と本州北部では平地の林,その他の地域では山地の林に生息するが少ない.
本県では,5 月中旬頃から奥越や南越の山地で鳴き声を聞いたり,秋の渡りの時期に丹生山地で移動中の個体が確認される.また,大野市亀山で高校の教室のロッカーから保護された珍しい事例もある.近年は,鳴き声が聞ける場所が減少している.
かつて本種の生息記録があった場所でも,すでに鳴き声が聞かれなくなった所も多く,個体数が減少していることはほぼ間違いない.しかし,山地の深い森に生息すること,夜行性で小型であることなどから,実態を把握することが困難である.
 ●存続を脅かす要因
本種の生息場所となる大木のある深い森の減少が挙げられる.
 ●参考文献
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
高野伸二.1990 .フィールドガイド日本の野鳥.342pp .財団法人日本野鳥の会,東京.
中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑〈陸鳥編〉.301pp .保育社,大阪.
日本鳥類目録編集委員会(編集).2000 .日本鳥類目録改訂第6 版.345pp .日本鳥学会,帯広.
向山満.1996 .コノハズク.日本動物大百科 第4 巻鳥類U:37- 38 ,42 .

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