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●種の特性
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繁殖地では,河川,湖沼などの水辺にすみ,水田や畑地にも採餌に現れる.
河原の発達した中流域の河川で多く見られる. 水辺を歩いて,長くてまっすぐな嘴をはしのように用いて,ユスリカ類やトビケラ類などの水棲昆虫の幼虫をついばむ. 本種の繁殖環境として,過密に草本類が繁茂する場所は好まず,まばらに背丈の低い草が生育し,砂や礫が散在するような環境を好む.
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●生息状況
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北陸地方では夏鳥として渡来するが,一部少数は留鳥として周年生息が確認されている所もある.
中部地方では3 月下旬〜4 月初旬頃に渡来する事例が最も多く,繁殖は4 月下旬ごろに始まり6 月中旬ごろまで続き,繁殖後は単独で行動する.他のシギの仲間に比べて秋の渡りは早く,7 月の中旬ごろから移動がはじまる. 中小河川の河原で多く観察されるが,多雪地帯の本県では,秋から冬にかけては河口や海岸でみかけることが多い.
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●存続を脅かす要因
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営巣場所として適当な,まばらに背丈の低い草が生育し,砂や礫が散在するような河川敷等の減少が挙げられる.
河川敷への四輪駆動車の乗り入れや,釣り人の立ち入りが繁殖への直接的な妨げとなる.
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●参考文献
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叶内拓哉・安部直哉・上田秀雄.1998 .日本の野鳥.624pp .山と渓谷社.
中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑(水鳥編).105- 106PP .保育社. Peter Hayman,John Marchant,Tony Prater.1986.Shore- birds.412pp.CROOM- HELM.
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