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●種の特性
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裸地に近い砂地や砂礫の多い場所で繁殖する.主に,水生昆虫やミミズなどの小動物を食べる.
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●生息状況
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旧北区に広く分布する種類で,生息数は決して少なくはない.日本へは3 月中旬頃渡来し8 月下旬頃渡去する夏鳥である.都市郊外の団地造成途中の埋め立て地で繁殖する例が知られている.繁殖環境についてはイカルチドリより適応力があると思われる.
中緯度地方に位置する福井県では4 月下旬頃より繁殖がみられ,6 月下旬頃まで続く.造成地のような赤土が露出した所でも平気で繁殖する個体が認められるが,気づかれず工事が進められるため,繁殖成功にいたる例はほとんどない. 河川改修で流路を変える場合に,土砂をかきならす面積を大きくすると繁殖場所として利用される.
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●存続を脅かす要因
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河川改修の結果,繁殖場所となる砂利や礫の多い土地が極度に減少していることが挙げられる.
団地造成や住宅用の埋め立て地等の,環境が急変する場所で営巣することもあるが,重機や人の立ち入りなどによる繁殖の妨害により,繁殖成功率は極めて低い現状である.
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●参考文献
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叶内拓哉・安部直哉・上田秀雄.1998 .日本の野鳥.624pp .山と渓谷社.
Peter Hayman,John Marchant,Tony Prater .1986 .Shore- birds .412pp .CROOM- HELM. 高野伸二・柳沢紀夫.1969 .野鳥図鑑.335pp .日本鳥類保護連盟
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