-
●種の特性
-
本来は大きな干潟に渡来する.国内ではダイシャクシギと並んでニワトリの中ビナほどもある大型のシギである.
海岸の砂浜,河口の砂泥地などの他,水田に入ることもある. 長くて下に湾曲した嘴を砂泥に差込み,ゴカイやカニ類などを取り出して食べる.
-
●生息状況
-
春と秋の2 回本州を通過する典型的な旅鳥である.春の渡りは比較的早く,3 月の中下旬には姿を見せる.秋の渡りは8 月下旬〜10 月初旬とやや幅がある.
本県では渡来地として三方五湖周辺がよく知られており,湖岸に近い湿田で採餌していることが多い.大きな群れを見ることはなく,単独で観察されることが殆どである.水田で採餌している時は保護色効果があって発見しにくい. 嘴のかたちが特異化したシギだけに採餌環境も限定される.
-
●存続を脅かす要因
-
本県には,本種の渡来地として適した環境が殆どなく,湿田で見られる.しかし,水田の乾田化にともない湿田面積が年を追うごとに減少しており,本種の渡来地を狭めている.
-
●参考文献
-
Gerry Cotter.1990.The Curlew (Shire Natural History).24pp.Shire Publications Ltd.
Peter Hayman,John Marchant,Tony Prater.1986.Shore- birds.412pp.CROOM- HELM.
|