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●種の特性
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全長57 〜61cm ,翼開長121 〜135cm の中型のワシタカ類で,標高1,500m 以下の丘陵地や低山帯の落葉広葉樹林,アカマツ林,スギ林などで繁殖する.
林内でハチの行動を観察し,ハチの巣を見つけ出し,巣を掘りだして幼虫や蛹を捕食するなど,餌の多くをハチ類に頼っているが,両生類や爬虫類なども捕らえる.
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●生息状況
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本種は,ユーラシア大陸の温帯から亜寒帯で繁殖し,インドから東南アジアで越冬する.日本には,北海道や本州で夏鳥として繁殖し,冬期は東南アジアに飛去する.
本県では,主に嶺北地方の丘陵地から低山帯の林で6 〜8 月にかけて繁殖していると考えられるが,繁殖記録は2例しかない.5月と9月には,県内各地で,小群で移動する様子が観察されている. 嶺南地方では繁殖期にはほとんど見られない.
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●存続を脅かす要因
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ハチ類に餌の多くを依存しているだけに,生息環境の改変の影響を受けやすい.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
高野伸二.1990 .フィールドガイド日本の野鳥.342pp .財団法人日本野鳥の会,東京. 中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑〈陸鳥編〉.301pp .保育社,大阪. 森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995 .図鑑日本のワシタカ類.632pp .文一総合出版,東京. 日本鳥類目録編集委員会(編集).2000 .日本鳥類目録改訂第6 版.345pp .日本鳥学会,帯広. 池田善英・小嶋明男・松村俊幸.1992 .福井県和泉村において観察されたハチクマの秋の渡り.Ciconia(福井県自然保護センター研究報告)1 :23- 27 . 池田善英・松村俊幸・小川悟.1996 .福井県におけるハチクマの繁殖初記録.Strix 14 :194- 196 .
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