-
●種の特性
-
全長80 〜95cm ,翼開長は180 〜230cm に達し,国内に定期的に渡来するワシタカ類としてはオオワシに次ぐ大型種である.北海道では繁殖する個体がいるが,多くは冬鳥として,北日本や日本海側の地域の海岸や河口,大型河川,湖沼に渡来する.
餌は主に魚類であるが,水鳥の集結地などでは群れを追い回して捕獲したり,他のワシタカ類が捕らえた獲物を横取りしたり,腐肉を食べたりするなどの観察例も多く報告されている.
-
●生息状況
-
ヨーロッパとアジアの亜寒帯・温帯で繁殖し,温帯から熱帯に渡って越冬する.日本では,全国から記録があり,九州地方にも定期的に渡来する.
本県では,三方五湖,北潟湖,九頭竜川河口〜三里浜,ダム湖などに越冬記録がある.とりわけ三方五湖は,長年に渡って定期的な渡来地であること,複数個体が越冬していた点で,中部日本の中では国内有数の渡来地である. 本県有数の越冬地である三方五湖では,1990 年代の前半までは複数個体が越冬していたが,近年は1個体しか記録されないようになってきた.北潟湖や九頭竜川河口〜三里浜では,すでに記録は途絶えた. 山間部のダム湖における記録は,近年調査が進んだこともあり,増加している.しかし実態をつかむには至っておらず,今後,調査を進め,実態を把握することが重要である.
-
●存続を脅かす要因
-
平野部の渡来地の環境悪化が考えられる.
-
●参考文献
-
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
高野伸二.1990 .フィールドガイド 日本の野鳥.342pp .財団法人日本野鳥の会,東京. 中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑〈陸鳥編〉.301pp .保育社,大阪. 日本鳥類目録編集委員会(編集).2000 .日本鳥類目録改訂第6 版.345pp .日本鳥学会,帯広.
|