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●種の特性
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薄暗い森林に生息し,夜行性であるために目立たないが,繁殖期には大きな低い声で「プォー,プォー」と続けて鳴く.粗末な皿型の巣を,樹上に造る.
谷や沢筋,山ぎわの湖沼のふちなどで,サワガニ,ミミズ,魚類などを採餌する.
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●生息状況
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日本固有種で,本州,四国,九州,伊豆諸島で繁殖するが,推定生息数は250 〜1000 羽である.主な越冬地はフィリピンや台湾だが,西南日本や薩南諸島でも少数が残る.
本県では観察例が少ないが,主に4 〜5 月に鳴き声が聞かれており,繁殖も確認されている.
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●存続を脅かす要因
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暗い林と,餌の豊富な水辺が近くにあるような特定の環境が重要と思われる.生息場所となる低山帯は開発が進んでいるために,個体数が減っていると思われる.
三宅島のように,外来種のイタチの放獣により,激減した例もある.
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●参考文献
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福井県.1998 .福井の鳥とけものたち.222pp .福井県.
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県. 日高敏隆.1996 .日本動物大百科 第3 巻 鳥類T.182pp .平凡社,東京都. 中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑(水鳥編).304pp .保育社.大阪府. WWF JAPAN.2001.WWF 通巻284 号,7- 8 .WWF JAPAN.東京都.鳥類
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