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鳥 類
 

 トキ

 

 コウノトリ目トキ科

 Nipponia nippon (Temminck)

 福井県カテゴリー  県域絶滅
 環境省カテゴリー  野生絶滅
 
 
 
  
 ●種の特性
主に,山地の水田,湖沼,河川などの湿地にすみ,繁殖期には高い木の上部に小枝などを使って営巣する.
餌は主に,ドジョウ,タニシ,カエル,小魚などの水生動物で,湿地を歩行しながら長い嘴を使って餌を捕らえる.
 ●生息状況
現在,世界では,中国の陝西省洋県の一部にのみ生息し繁殖しているが,他の地域では確認されていない.日本では,新潟県佐渡に生息する野生のものが1981 年にすべて捕獲され人工飼育されたが,現在は1 羽のみが生存している.
本県では,江戸時代に描かれた絵が残っており,当時は県内にも生息していたことが推定できる.1957 年に福井市久喜津町の日野川河川敷地で,銃弾を受けた1 羽の死体が発見されたのが唯一の記録で,それ以外の記録はない.
 ●絶滅に至った要因
江戸時代から明治初期にかけて,銃器等による捕獲が各地で行われたことや,昭和期に国内の生息地であった新潟県佐渡郡や石川県能登半島において個体数が減少し遺伝的多様性が失われたこと,森林の伐採,農薬の影響などにより絶滅をたどった.
 ●参考文献
林武雄.1989 .帰らぬつばさ−ほろびゆくコウノトリの挽歌−.290pp .ぎょうせい,東京.
新穂村教育委員会.2001 .トキの森公園.トキ保護の歴史.4pp .新潟.

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