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●種の特性
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成体は,背面の背中線がなく,背面黒色斑は孤立し,腹面の暗色斑は顕著であるという形態学的特徴を持ち,雌雄の婚姻色も見られないという点もあわせて,近似種トノサマガエルと区別されている.しかし,最近の調査により,トノサマガエルに似て,背中線をもつ個体も発見されている.
繁殖期は6 月頃で水田地帯で産卵する.同所的に分布するトノサマガエルと繁殖期が重なるが,特徴ある雄の鳴き声により,トノサマガエルとの生殖的な隔離を保っている.
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●生息状況
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四国,本州中国・近畿・東海・中部地方に生息が確認されてきているが,環境条件の悪化に伴い,すでに絶滅した生息地も多い.
福井県内での分布地は,嶺南若狭地方の三方町付近の水田地帯に限られていたが,最近,小浜市近郊でも発見された.しかし,依然として個体数は少なく,局所的な分布にすぎない.
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●存続を脅かす要因
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繁殖地が水田地帯であり,埋め立て等の土地改変の影響を直接的に受ける.
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●参考文献
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福井県.1998.福井県の両生類・爬虫類・陸産貝類目録.141pp.福井県.
福井県.1999.福井県のすぐれた自然 動物編.452pp.福井県.
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