-
●種の特性
-
世界最大の両生類の一つで,全長は普通750 〜950mm 程度.全身が扁平で,特に頭部と口は大きく,四肢は短い.背面は赤褐色地に不規則な黒褐色の斑紋がある.体側には皮膚の襞があり,個体変異が大きい.
夜行性であり,山地の上流から中流域に生息し,繁殖期は上流域で行なわれることが多い.繁殖期は8 月下旬から9 月中旬で,雄は岸辺の深い横穴を占有し,雌が巣穴に入り込んで,卵は直径5mm 位で数珠状に400 〜500 個を産卵.50 〜60 日で孵化し,約3 〜5 年で変態する.
-
●生息状況
-
日本固有種.岐阜県以西の本州,四国及び九州の一部に分布.県内では過去に九頭竜川水系の一乗谷川,鹿谷川,真名川,七瀬川,天王川,未更毛川と最近の嶺南の耳川,南川,槇谷川,染谷川上流に生息確認の事実があるが,人為的に移入された可能性も考えられる.
-
●存続を脅かす要因
-
河川改修等護岸のコンクリート化による巣穴になる場所の減少.繁殖期の溯上を阻害する移動経路のない堰が主な要因.また,餌となる多数の甲殻類・小魚が生息する河川環境の多様性の低下が存続を脅かす要因である.
-
●参考文献
-
福井県.1985 .福井県の両生類・爬虫類・陸産及び淡水産貝類目録.139pp .福井県.
福井県.2000 .福井県版RDB 補完調査報告書.260pp .福井県.
|