- 第2回調査により、水系全体で24科66種(うち6科12種の移入魚)が生息し、第1回調査時より15種増加した。前後2回の調査では27科75種(うち7科16種の移入魚)が確認された。注目された魚類は、ウグイ(降海型)、ホトケドジョウ、ススジシマドジョウ、ヨシノボリ類の4種(シマヨシノボリ、オオヨシノボリなど)、チチブ類の2種、シモクリシマハゼ、ウキゴリ類の3種(ウキゴリ、スミウキゴリなど)である。また移入金ではアマゴから生じたサワキマス(降海型) 、ワカサギ、ビワヒガイ 、ホンモロコ 、スゴモロコ 、イチモンジタナゴ 、オオクチバスなどである。
- 第1回調査では生息したが第2回調査では未確認の魚種は、メダカ、クルメサヨリ、降海型イトヨ、イシグレイの4種で、前3者はほとんど確認し難いほど減少した。第2回調査で確認されたが個体数の著しく減少した魚類は、スナヤツメ、カワヤツメ、ウナギ、イワナ、サケ、サクラマス(ヤマメ)、ヤリタナゴ、アカヒレタビラ、アジメドジョウ、スジシマドジョウ、アカザ、カジカの2種、カマキリなどであった。
- 移入魚ではワタカ、ゲンゴロウブナ、カネヒラ、カムルチーの4種が今回は未確認で、河川で定着し難かったものと思われる。
- 九頭竜川本流での流れに沿った魚の分布は、源流から九頭竜ダム湖上端まで(上流域上部)は、イワナ、アマゴ 、アブラハヤ、河川型カジカ、トウヨシノボリ が生息する。九頭竜ダム湖には、イワナ、ニジマス 、アマゴ 、オイカワ 、ウグイ、アブラハヤ、ホンモロコ 、モツゴ 、カマツカ、ニゴイ、コイ 、ギンブナ 、ギギ 、アユ 、トウヨシノボリ が生息し、多数の移入魚が生息した。
- 支流真名川上流の真名川ダム湖には、ワカサギ 、アユ 、イワナ、ニジマス 、アマゴ 、オイカワ 、ウグイ、アブラハヤ、カマツカ、ニゴイ、ギンブナ 、ギギ 、トウヨシノボリ が生息し、ワカサギを除いて九頭竜ダム湖と似た魚類相がみられた。
- 九頭竜ダム湖の下の和泉村朝日から下山付近まで(上流域中部)には、アユ 、アマゴ 、カマツカ、ウグイ、アブラハヤ、オイカワ 、アジメドジョウが生息するが、ダムの下手にあたり水量が乏しく、魚の生息数は少ない。
- 大野市柿ヶ島から福井市森田まで(中流域)では、川幅が広くなり水量も増し、ニゴイ、カマツカ、アブラハヤ、ウグイ、オイカワ 、カワムラB型、フナ類、コイなどのコイ科魚類が主で、その他ナマズもかなり生息していた。回遊魚のアユ、ヨシノボリ類、ウキゴリ類、降海型カジカやカマキリ、周縁魚のボラ、スズキ、マハゼ、ヌマガレイも河口から溯上した。ボラ、スズキは鳴鹿堰堤(永平寺町鳴鹿)の直下まで(河口から約30q)、マハゼとヌマガレイは福井市中角付近(河口から約15q)まで溯上が確認された。
- 鳴鹿堰堤には魚道があるが、降海型カジカ、カマキリなどの溯上力の弱い魚は、堰堤の上で確認できなかった。一方、堰堤の上にできた湛水域には、ニゴイ、ウグイ、カマツカ、タモロコ、モツゴ、アブラハヤ、ビワヒガイ 、イチモンジタナゴ 、スゴモロコ 、ナマズ、アユ、ドレコなどが生息し、中流域でありながら止水域を好む魚が多く生息した。とくにビワヒガイ 、イチモンジタナゴ 、スゴモロコ の3種は琵琶湖底稚鮎に混入して移入され、止水域に適応して生活しているものと考えられる。
- 福井市高屋から下の下流域でもコイ、フナ類、ウグイ、ニゴイなどコイ科魚類が主である。河口付近の汽水域ではコノシロ、サヨリ、ボラ、スズキ、シマイサキ、マハゼ、クロソイ、シモフリシマハゼ、クサフグ、コチなどの周縁魚の他、ケチブの回遊魚も生息していた。
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