- 木道に従って湿原へ入ると春の芽吹きのころは,ミソサザイの高らかなさえずりに混じって,カラ類やホオジロの声が四方から聞こえてきます.また,カシラダカ,ミヤマホオジロ,ベニマシコ,ウソなどの冬鳥も残留しています.
- しかし,5月ともなると様相は一変します.オオルリ,クロツグミ,キビタキ,ツツドリなどの夏鳥が留鳥とともに鳴き競っています.アオゲラやコゲラ,時にはアカゲラなどのキツツキ類の鳴き声も湿原に響きます.木道沿いには白い花をつけたミツガシワが咲きほこり,流れの奥にはオシドリが群れています.運が良ければ茂みの奥からヒクイナの声が聞けるかもしれません.
- 木道を1時間ほどで探索したら,笙ノ川に沿って杉箸集落の方へ向かってみましょう.初夏には山野の鳥のコーラスを楽しめます.
- 晩秋には,たわわに実った柿の木にツグミやシロハラが群れています.それを追い払うようにヒヨドリも押しかけてきます.また,枯れかけた雑草の混じる畑で無心に実を啄んでいるマヒワの群れが,モズの高鳴きに驚いて一斉に林へ逃げ込みます.その群れの美しさも晩秋ならではの光景です.
- 初冬ともなると,キレンジャクの群れが来ることがあります.ヒレンジャクも混じるのでよく探してみましょう.湿原の阿原ヶ池は,積雪で凍結しない限りマガモやコガモが見られますので,真冬でも楽しめる探鳥地です.
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