18.刈込池とその周辺 −ブナ林に現れる幻想的な池−
 県境で最も高い三ノ峰への登山口であり,本県では数少ない亜高山帯の鳥が見られる所です.しかし,探鳥できる時期が限定され,雪の消えた5月中旬から積雪のある11月下旬までしか入山できません.白山国立公園の中にあるので,施設はかなり完備されていますので,自然探索するアウトドア派には人気のあるところです
◆探鳥カレンダー ◆探鳥地の地図
◆探鳥ガイド
  • 基点となる上打波の上小池の駐車場から歩いて出発します.小道を下ってゆくと渓流沿いの道に出ますので,それに従って上ってゆきます.初夏にはカケス,キセキレイ,ウグイス,ミソサザイなどが瀬音に混じってそこここから聞こえてきて,爽やかさを満喫できます.
  • 六本桧を経て三ノ峰へは,途中を左に曲がり山道に入って行きますが,刈込池へはまっすぐ進みます.コガラやゴジュウカラの声が歩く先々に聞こえ,クロツグミ,ジュウイチ,ホトトギス,アオゲラなどがブナ林に響いてくると亜高山帯の趣が出てきます.ここは標高が高いので他ではあまり出会えないアカショウビン,コルリ,コマドリ,マミジロ,アカゲラも観察されますが,時にはオオアカゲラも出ることがあるのでドラミングには要注意です.
  • 駐車場の見通しのきく所では,運が良ければイヌワシの飛翔を見ることがあるでしょう.秋の紅葉は美しく,ブナ林の黄色とモミジやヤマブドウの赤が見事です.また,池の水面に写る三ノ峰は美しい姿を見せてくれます.この頃はカケス,コガラ,ヒガラが地鳴きをしながら枝移りをしていますし,ツグミやアトリ,シロハラの冬鳥も見られるようになります.
  • 刈込池の周辺には立派なブナ林があり,遊歩道沿いに高山植物や珍しい小動物に会えます.初夏の池にはモリアオガエルが産卵し,珍しいオオルリボシヤンマが飛んでいます.刈込池までの周遊にしろ六本桧までの往復にしろ,距離があるので時間は十分にとって入山したほうがよいです.ツキノワグマも出没するので単独で行くことはやめましょう.

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出典「福井の鳥とけものたち」(1998年3月 福井県自然保護課)